セモベンテM42 da75/34の塗装アドバイス

タミヤニュース631号より
セモベンテM42 da75/34は1943年9月のイタリア降伏に伴い生産数のほとんどをドイツ軍が接収、部隊配備しています。このM42には当初、サンドイエローを基本とする3色迷彩が施されていましたが、1944年以降は「アメーバ迷彩」と呼ばれるイタリア製車輌独特の迷彩塗装が導入されました。これはグリーンを基本色としてブラウンの雲形迷彩を加え、グリーンとブラウンの境目をサンド色で縁取る迷彩です。この細い縁取りは、フランス戦車の迷彩のような境界のはっきりしたハケ塗りではなく、吹き付け塗装されていて境目はボケています。
以前イタレリがキット化した「イタリア重戦車P40」や「装甲偵察車AB43」などにもアメーバ迷彩が見られるので、挑戦したモデラーもいらっしゃることでしょう。
今回のキットのマーキングはイタリア戦線で戦ったドイツ軍第71歩兵師団所属車“Heidi 3”および“Anni”の2種類ですが、通常の3色迷彩の“Anni”に対して、“Heidi 3”にはアメーバ迷彩が施されています。1/35サイズでは多少難易度の高い迷彩塗装ですが、塗装方法の一例をご紹介しましょう。
なお、実車の塗装色はダークイエローなどのドイツ軍塗料ではなくイタリア軍用の塗料が使われ、キットでは近似色としてXF-58オリーブグリーン、XF-10フラットブラウン、XF-59デザートイエローを指定しています。
  • 1. 全面をXF-58で塗装。その上にXF-10の雲形迷彩を筆塗りで加え、エアーブラシでムラを整えます。

  • 2. XF-10の輪郭に従ってXF-59をまず筆で下塗りする。

  • 3. 細く絞ったエアブラシでなぞっていく。XF-59の帯の幅は最終的に1mm程度ですが、少し広めに吹き付け(2〜3mm程度。XF-59やXF-10の部分にはみ出しても気にしない)、次の工程でXF-10およびXF-58の細吹きにより境目を整えます。

  • 4. XF-10の細吹きで、はみ出たXF-59の境目を整えます。

  • 5. 同様にXF-58の細吹きで、はみ出たXF-59を整え最終的に仕上げます。