2019年後半の話題といえば日本中が熱狂したラグビーW杯。数々の流行語も生まれたこの大会の感動を題材にした作品が今回多数寄せられました。試合の開催日と募集締め切りのせめぎ合いに苦労された方も多かったと思いますが、このように旬の話題をホットなうちに取り上げたニュース性重視の作品が最近増えていて、このコンテストはその年を締めくくる風物詩にもなっていることを実感します。

さて今回見事に金賞トライを決めたのは永吉実朋さん。ラグビー選手の激しい動きに加え、複数の人物が抱き合う歓喜の瞬間をとらえた群像は難易度の高いシーンですが、その勢いまでもが伝わる見事な仕上がりで、2019年を象徴する作品の一つと言えるでしょう。銀賞はイチローヒストリーに挑戦した虫明範雄さん。台座のボリュームが目立つのが少々惜しい点ですが、それぞれに印象深いポーズでイチローらしさを巧みに表現、作者の優れた観察眼がうかがわれる作品です。銅賞獲得は森尾しょうじろうさん。テレビ番組ですっかりおなじみのタミヤファン、ディエゴさんはどの角度から見てもそっくり。審査に立ち会った弊社会長もこの技術の高さに驚いていました。

話題賞は若い人達にも講談の面白さ、奥深さを広めた、人気講談師神田松之丞の気迫のこもった鋭い眼光を見事に表現したそっくりさん人形で初参加の永井哲雄さん。また全英での優勝も記憶に新しい女子ゴルフ界2019年の顔、渋野日向子で参加の長野淳さんがそれぞれ獲得しました。ともに単体作品ですが、それぞれの特徴を捉え丁寧に作り込まれています。今回の努力賞は塗装技術の優れた2作品を選定。岡田直人さんの『北斗の拳』の人気キャラクターは、2次元ならではの鮮やかな色使いに重厚感をあわせ持った質感表現で立体化。中国から参加の陳加力さんは、中国の古い絵画の幽玄な世界を独特なタッチで表現した不思議な存在感のある力作です。2019年秋、日本各地に甚大な被害をもたらした台風。自然災害で頼りになる自衛隊の活躍をテーマにした永島健司さんの作品は、そんな自衛隊員への感謝の気持ちも込められているような、タイトル通り“暖かな”作品でMM賞獲得です。

今回も幅広いジャンルから寄せられた人形改造コンテスト。次回は東京五輪の開催でますますスポーツに関する話題がクローズアップされることでしょう。はたしてどんな選手が1/35サイズになって登場するのか、今からワクワク楽しみです。もちろん題材にとらわれず、自由な発想でぜひ気軽にご参加ください。みなさんの応募をお待ちしています。

⇒第49回人形改造コンテスト応募方法はコチラ（締切：2020年10月25日）

■第48回人形改造コンテスト参加作品パンフレット（PDF方式）
第48回の作品パンフレットをご希望の方は封筒に140円分の切手を同封し、住所、氏名、第48回人形改造作品パンフレット希望と明記の上、下記までお申込みください。（バックナンバーにつきましてはカスタマーサービスまでお問い合わせください）
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