第79回 パチッコンテスト 入賞作品発表

　79回を迎えたAFVモデルの写真コンテスト「パチッ」。最年少10歳から78歳までと幅広い年齢層の方から今回もご応募いただきました。常連の方に加え、新規で応募される方も多く、近年は10代から20代の参加者も増加傾向にあります。今回はそのような状況から作品部門のジュニア賞は入賞者3名となりました。確かな製作技術に加えて写真による表現力も求められるパチッ。特に写真としての仕上がりは重要で、模型作品の良さを的確に伝えた写真が上位入賞を果たしています。また、定番のドイツ戦車や連合軍車輌に加えて、M551シェリダンやM3A1スカウトカーなどの新製品でのエントリーもしっかりありました。パチッコンテストは毎年9月1日が募集の締め切り。模型を完成させたら、撮影機材にはこだわらず、まずはカメラでパチッ。皆さんの力作を写真に撮ってぜひ応募してください。

⇒パチッコンテスト応募方法
⇒第78回パチッコンテストの入賞作品

【金 賞】

[作者] ��島 浩（57）東京　　 [題名] バトル オブ ザ バルジ　　 [スケール] 1/35

作品自体は楕円形の小さなベースです。ローアングルからカメラを構えいかに奥行きがあり、また迫力のある作品に見せるか？！そこが今回の一番のポイントでした。背景画をボードに貼りつけ、庭にあるテーブルにセットしてからカメラを構えて撮影しました。別の角度からも何枚も撮影して納得のできた一枚を撮れた時の喜びは本当に大きいですね！

【銀 賞】

[作者] 吉田 成宏（61）愛知　 　 [題名] M551 in South Vietnam　 　 [スケール] 1/35

小学生の時に作った思い入れのある“シェリダン”。ＭＭ50周年の記念すべきキットということもあり、今回は、これを主役にベトナムのジャングルを舞台にこの地域特有の仏像と作りこんだ亜熱帯植物を配置し、その中をかきわけて進む状況を再現しました。またネットから取り込んだ背景の植物と車輌のスケールに注意しながら自然光下で撮影しました。

【銀 賞】

[作者] 今野 智史（58）埼玉　　 [題名] ウィーンのフラックタワー　　 [スケール] 1/35

ウィーンに実在した高射砲塔なのですが、デザインはオリジナルです。塔の紋章はウィーンということでハプスブルク家の紋章を手書きしました。アオリの構図だとタワー感は強調されますが、高射砲や兵士の情報量が限定され、俯瞰だとその逆というのが悩みどころでした。撮影は晴れた日の屋外で行い、キヤノンのコンパクトデジカメを使用しました。

【金 賞】

[作者] 凌 邕明（45）中国　　 [題名] CARRO ARMATO M13/40　　 [スケール] 1/35

この作品は第二次大戦の北アフリカに展開したイタリア軍団のカーロアルマート13/40戦車です。砂漠での作戦状態を表現するため、2液性のエポキシパテで旗やレインコートを作りました。様々なバッグをはじめ土嚢や履帯などを車体に満載しています。塗装は砂漠という状況を考え、ウェザリング技法を使って、戦場で酷使された戦車の臨場感を表現しました。

【銀 賞】

[作者] 山田 洋介（55）兵庫　　 [題名] 重自走榴弾砲フンメル 後期型　　 [スケール] 1/35

組み立ては金属線などで細部をディテールアップしたほか、特徴的な車体側面グリルに装甲カバーを追加加工。また塗装もディスクパターン迷彩とすることで最終型のイメージで製作しました。ウェザリングは使用感と泥汚れの立体感を意識して実施。撮影はデジタル一眼レフカメラを使用し、ニュートラルな発色と自然なパースになるよう心がけました。

【銀 賞】

[作者] 佐藤 淳也（51）福岡　　 [題名] ウM551 シェリダン（ベトナム戦争）　　 [スケール] 1/35

ベトナム戦のシェリダンは黒っぽく見えますが、スケール感を考慮してオリーブドラブの明度を上げて基本塗装し、さらに砲塔や車体上部にハイライトを入れて立体感を強調。ベトナムの雰囲気を出すために、足まわりを中心に赤茶色の泥汚れをスプラッシュ塗装で表現しています。人形に関しては、コマンダーのヘルメットのテカリが少々残念です。